あんな顔をする陸を私は知らない。
見たくないーーー。
聞きたくないーーー。
出来ることなら
ここから逃げ出してしまいたい。
でも、足が動かない……
ニコニコと嬉しそうな顔をする彼女と
優しく頭を撫でる陸。
突っ立ってるしかない私は
なんて惨めなんだろう……
涙が溢れそうになった時ーー
「姫乃。ゆっくりこっち向いて」
「……っ!?」
ゆっくり振り向けば
優夜が居た。
「お腹空かない?」
「……空いた」
ウソ。お腹なんて全然空かない。
でも、この場所から離れたい。
「オレと海の家行こう」
いつもはウザイのに、この時ばかりは優夜に感謝した。
「さっき、海の家にめっちゃ可愛い女の子が居たんだよね〜」
……やっぱり撤回する。
この男はいつでもチャラ男だった。


