うっすらと開けた瞼は
まだ重くて

体も鉛のよう。


起きたくない…


けれど、そんなのは
許されないことで

隣にあったはずの存在が
ないことに気づくと
更に気力がなくなる。



「…また置き去り」


隣のシーツを触ると
まだ少しだけ温かい。


いつから、そこにいなかったのか
あたしには分からないけれど


あたしを満たしてくれたことは
夢でも幻でもない。



まだ空は暗く
嫌に存在感を表すデジタル時計は


――0:30



夢でも幻でもないけれど
分かっているけど


あたしの夢は終わった。




まだ、温かいそこに
頬を寄せながら瞳を閉じた。