「だから紗柚ちゃんとか!」 あ……そういえばいなかった。 「心、もしかして紗柚ちゃんのこと忘れてた?」 「え、い、いや……忘れて…ない……よ…?」 「なんで疑問形?」 彼は『はぁ…』とため息をついて言った。 「まあいいや。早く連れて来よう」 そう言って彼は、元来た通路を歩きだした。 私は彼にあわててついて行った。