私はそんなことを思いながら、まだ私の襟をつかんでいるあいつの手を払おうとしたけど……



そうはいかずに、どんどん引っ張って行ってしまう。



そんな私に気付いたのか、あいつは、



「そんなに放してほしい?」



私はコクコク頷いた。



けど……



「ダメ」