「何もいわれてないよ?」 そう言うと、紗柚の口から出たのは大きなため息。 「ちゃんと言えって言ったのに…」 と紗柚がボソッと言ったけど丸聞こえ。 「何を言えって?」 私が言うと、紗柚が焦ったように言う。 「なんでもない。ねえ心、もう一回聞くけど、真君のことどう思ってる?」 紗柚の口からあいつの名前が出たとたん、私の胸は高鳴った。