「朔弥…?」 抱き締められているせいで、速い鼓動も荒い息も全て感じることができる。 走ってきたんだ…。 そして彼は息を整えるかのようにフーッと息を吐いた。 「繭…このままで聞いて。」 私は静かに頷く。 「俺、繭との関係を断ち切りたくない。」 どんな表情をしているのかはわからない。 だけど、彼の体温が伝わってくる。 「…さっき言われて、考えたんだ。 もし繭がいなくなったらって」