「いってきまぁ~す♪」

まだ、シワ1つない、赤チェックのスカートをなびかせ、スキップしてるあたしは、山本日菜。

今日から、ずっとあこがれだった、私立桜丘高校。お兄ちゃんが推薦ではいっていて、私もがんばって、推薦で合格。

でも、この学校、超ーがつくほどのお金持ち高校。

庶民のあたしがついていけるか、不安・・・。

だって、「ごきんげんよう~。」とか言うんでしょ!?


ムリムリ!!!

中学時代は勉強ばっかりだったから、恋とかしちゃって、彼氏つくって、いいキャンパスライフ?おくるどーーーー!!





「ついたぁー。」

へぇー。ここが・・・・ってデカ!!

普通の学校の2、いや、4倍くらい大きい。

しかも、めちゃめちゃきれい・・・。ほ、ホテルみたい。

いろいろと楽しみだな♪



・・・・・・・・・・


しまったぁーーーーーーーーー。


下駄箱の場所、わんない・・・・・。


「キミ、下駄箱さがしてるの?」

な、なんて紳士てきなの!

真っ黒なサラサラヘアに、整った顔立ち。瞳も真っ黒。ザ、日本人ってかんじ・・・。
とにかく、今までみたことないくらいかっこよかった。

(やばっ。みとれちゃう////)

「じゃぁ、行こうか。たしか、キミは・・・唯一の推薦合格の、山本・・・日菜さん?」

「はい!元気だけが取り柄です!」

あっ。余計なこといってしまった・・・。

「フッ。これからよろしくね。日菜ちゃん。」

ほえ!?山本日菜、生まれて初めて男の人に、下の名前で呼ばれました。。。

それから、紳士さん←(勝手につけた)は下駄箱までついてきてくれた。

「あ、ありがとうございました。あの、お名前は・・・?」

「いえいえ。俺は、藤崎 海斗。それじゃ、日菜ちゃんも遅れちゃうよ。」

ニコっと微笑んでそれだけ言うと、言ってしまった。藤崎・・・海斗かぁ。

優しい人だったな・・・。

あ!!急がないと!始まっちゃう。




キーンコーンカーンコーン♪

「ふー。まにあったぁ。」

一安心♪

ドンッ!!!

「きゃっ」

「いって」

安心してたら、誰かにぶつかってしまった。

「テメー。どこみて歩いてんだよ。」

低く、よく通った声。 なに、いきなりコイツ・・・。

あれ・・・?藤崎くんに似てる・・・?

でも、チャラ・・・。顔は似てるんだけど、こっちの方が鋭い目をしてる。
茶髪で、無造作にセットされた髪。程よく着崩した、制服。むかつくけど、カッコいい・・・。

でも、やっぱり藤崎君とは・・・にてないかぁ。私の思い過ごしだぁ。

「おい。オマエ、きいてんのか・・・?」

もっと怒ってるし・・・(汗)