天使のような笑顔で

「勘違いして、ごめん。てっきり先生とそういう事シてるんだと思って、勝手に腹立ててたんだ」


「何で、真吾君が腹立てるんですか？」


まぁ…そうなるよな。

何で俺が、２人の関係に腹立てなくちゃいけないんだ？って話だよな。


真っ直ぐに向けられる彼女の視線が、今の俺にはとてつもなく痛かった。


「好きだから…だよ」


とうとう口にしてしまった、俺の安以への想い。

さすがに目を見て伝えるのは照れくさくて、少しそらしてしまった。


「えっ……？」


だけど、安以はイマイチ分かってないようで。

キョトンとした表情を浮かべたまま、じっと俺を見てくる。


「だから、俺が安以のコト好きだから。だから…腹が立ったんだよ」


『だからだから』って言ってる自分の、ボキャブラリーの無さに呆れつつ。

他にうまい言い方が見つからなくて。


とりあえず、顔から火が出そうなぐらいの恥ずかしさを抱えながら。

安以の言葉を待っていた。


「真吾君が、私を……？」


「……そう」


「じゃあ、私達は両想いだったんですか？」


言われて、俺も気がついた。

俺は安以が好きで、安以も俺を好きだって言ってくれてるわけで。