「はぁ…間に合った」

俺たちは入学式が始まる5分前に学校に着いた。

「ホントにいろいろとありがとう。じゃあ、後でね?」
「あ…あぁ」

そう言うと彼女は一瞬ニコッと笑って体育館へ走って行った。

相変わらず足遅いケド…

「俺も行くか」

俺は歩いて体育館へと向かった。
走ったら彼女追い越しちゃうからな。


体育館に入ると周囲からの目が気になった。

…なんでみんな俺のコト見てんだ?
俺、顔になんか付いてんのかな?

あ…そういえばピンクの絆創膏貼ってんじゃん。

しかも、そのピンクの絆創膏はただピンクなだけじゃなくてイチゴ柄だった…

入学式に顔にピンクのイチゴ柄の絆創膏貼ってくるヤツって…
おかしいよな…

「はぁ…」

俺がイスに座ると入学式はすぐに始まった。


校長の長い長い話。
もちろん俺は聞いてない☆

俺の頭の中はさっきの彼女の笑顔でいっぱいだ。

俺、こんなに頭の中女子でいっぱいになったの初めてだ。

そういえば、さっきみたいに心臓がうるさくなるのも初めてだ…
あれは何だったんだろう…?
そう疑問に思った。