彼女の笑った顔はすごく可愛くて
とても綺麗だった…

「…ッ、ありがと」
「どういたしましてッ♪」
「あのさ、名前…」

名前を聞こうとしたとき

キーンコーンカーンコーン

学校の方から入学式が始まる5分前を知らせるチャイムが鳴った。

「ヤッベ!!走るよ?」
「う、うんっ」

ここからの距離なら走ればまだ間に合う。

だけど…
遅くねッ!?

彼女はかなり…足が遅かった。

これじゃ手繋いで走っても間に合わねぇな…

「乗って」

俺は彼女の前でしゃがみ込んだ。

「え…?」
「おんぶしてあげるから、早く乗って」
「おッ、おんぶ!?そんな…悪いよ」
「じゃあ入学式間に合わないケド…いいの?」
「え…やだ」

うわ、可愛…

「じゃあ早く乗って」
「うぅ〜ッ…重いよ?」
「へーき」
「きゃっ…」

俺は彼女の腕を引っ張って背中に乗せた。

「お、重くない…?」
「全ッ然」

すっげー軽いし。