Strawberry★Night

俺は校舎裏でずぶ濡れの苺を見つけた。

「苺ッ!大丈夫か!?」

俺は苺を強く抱きしめた。

「苺…ゴメンな、俺のせいで…」

しばらく俺たちは抱きしめ合ったままでいた。


「律君…私、濡れてる。律君まで濡れちゃう」

しばらくして苺がそう言った。

そんなのどうだっていい。
濡れたっていい。

「ゴメンな…」

そう言って苺の顔を見ると左頬が薄らと赤く腫れていた。

「苺…ここ…」

苺の左頬に軽く触れた。

「ッ、えっと、そこは…」
「…ッゴメン!!」

俺は…
俺のせいで苺をこんなにしてしまったのか…

「律君?私ね、律君がここに来てくれたとき、律君が王子様に見えた」

何言ってんだよ…
俺が王子なワケねぇ。

「俺は苺を守れなかった…王子は普通助けるモンだろ?俺は…王子じゃねぇよ」
「律君は私の王子様だよ」
「苺…」
「へっ…くちゅんッ」

うわ…苺ってくしゃみまで可愛いのか。
って、今はそんなコト考えてる場合じゃねぇよな。