俺たちは授業が終わるまでしばらく空き教室で過ごして、授業の終わりを知らせるチャイムが鳴ると教室に戻った。

2人で教室に入ると、咲がニヤニヤしてこっちを見てきた。

…咲サン、せっかくのカッコイイ顔が台無しですよ?(笑)

「律夜、お前がさっき探してた子ってこの子やったん?」

咲は俺に近寄ってくると小さな声で聞いてきた。

「あぁ…そうだケド?」
「??」

苺には俺たちの会話が聞こえてないみたいだ。

「お前、この子のコト好きなん?」

はッ?
…好き?
俺が…苺を?

俺は高校にいったら本気で好きになれる子を見つけて、本気で恋をするって決めてた。

俺は苺のコト…好きなのか?

ただ1つ言えるコトは、苺は俺が今まで見てきた子たちとは違うコト。
苺には…何か特別な感情がある気がする。
この感情が好きってコトなのか…?

そういや俺、今まで人を本気で好きになったコトなかったな…
初恋すら、まだしてねぇよ…

「…まだわかんねぇ」

正直、わからなかった。
人を本気で好きになったコトのない俺には、この感情が好きってものなのかがわからない…

「…そうか。まぁ、そのうちわかるやろッ♪」

咲はそう軽く言って苺を見た。

「俺は、律夜の友達の夜神 咲っちゅうんや。よろしくな☆」