Strawberry★Night

どこに行くかも決めないでとにかく全力で走った。

走って走って、今朝あったこと全て忘れてしまうほどに走った。

でもいくら走ってもやっぱり忘れられなくて。

…当たり前だよな。


ドンッ

「った…」
「…ッ」

廊下をまがる際、誰かとぶつかった。

「律夜ッ!?」
「…聖」

メガネがずり落ちた聖が倒れていた。

「お前…泣いてんのか…?」
「…は?」

何言ってんだコイツは…

「いや、え?マヂで…なんかあった?」
「…別に」
「じゃあなんで泣いてんだよ」
「お前さっきから何意味わかんねぇこと言ってんだよ」
「いや、マヂで泣いてんじゃん」
「そんなワケ…」

…マヂで?

俺の頬は濡れていた。