Strawberry★Night

ガラガラッ

ドアが勢いよく開く音がした
と同時に…

「律君ッ!!」

聞き慣れた、俺が世界で1番好きな声が聞こえた。

苺…?
なんで…

「あなたは確か…南川さん?」
「あ、はい!先生、律君…恋花君、いませんか?」
「恋花君ならそこのベッドで寝てるけど…」
「ありがとうございます」

「律君…」

苺がカーテン越しに遠慮がちな声で俺の名前を呼んだ。

「起きてる…よね?」
「……」
「律君…」
「…何」
「ッ、あの、ね、咲さんと聖君から聞いて…」
「……」
「私と、透が話してるとこ…見たんでしょ?」
「……」
「透はねッ、違うの!全然、そんなんじゃ、なくて…」
「……」
「律君てお願い、信じて…」

今にも泣き出しそうな声。

「……」

それでも俺は何も言ってあげることができなくて…