理科準備室の甘い秘め事

「ごめん……」

『違うの!謝って欲しいわけじゃないの!!だからっ……謝らないで……』


未来の声が震えているのがわかった。

今すぐ会って、未来を抱きしめたい。

だけど、教師と生徒。

そんな事をして、バレたりでもしたら、未来の進路に関わる。

未来に迷惑がかかる。

それだけは絶対にダメだ。

会いたいのに、会いに行けない。

俺はどうしていいのかわからず、黙ったまま。


しばらく沈黙が続いた後。


『先生っ……会いたいよ……』


携帯ごしに、微かに未来の震える声が聞こえた。

未来がこんなに不安がっているのに、それをこのままになんて出来ない。


「なぁ、未来。今から30分後、外に出られるか?」


俺の家から未来の家までは車で30分。

夏だと言っても今は21時。

外は暗い。

だから、会いに行っても大丈夫だよな?