理科準備室の甘い秘め事

コン コン――


「失礼します」

「あぁ、未来か。テストお疲れ。未来、今回、成績下が……って、どうした?何かあったのか?」


永井先生はそう言いながら、振り返る。

多分、気合いと緊張で、私の顔は強張っていたのだと思う。

そんな私を見て、永井先生は心配そうな表情になる。


「ねぇ、先生。聞きたい事があるの」


私はいつもの席に座らず、立ったまま、永井先生をまっすぐ見つめる。


「……あぁ、何?」


永井先生は私のそばまで来る。


「ねぇ、先生……。あのね、私の事……、どう思っているの?」


いつも不安で、怖くて聞けなかった事を言葉にする。


「えっ?どうって……」


いきなりそんな事を言われた永井先生は、驚いている。


「好き?嫌い?どっち?」


私はすがりつくような目をして、永井先生を見る。

“鬱陶しい”って思われるかもしれない。

だけど、永井先生の気持ちが知りたいの。