理科準備室の甘い秘め事

ねぇ、渚。

それって、自分が食べたいだけなんじゃ……

私はお菓子を作るのが好きで、中学の頃からよく作っては持って来て、友達にあげていた。


すごく楽しそうな渚に


「ねぇ……、それって先生にも手作り?」


一応、聞いてみる。


「だって、未来の作ったお菓子おいしいんだもん。もちろん今年も作るでしょ?だから、先生にも手作りのお菓子渡しちゃいなよ!」


渚の中で、私が作る事は、前提なんだ。

永井先生には、友達に作ったついでって言えばいいかな?

でも、“ついで”って響きが感じ悪くない?

そんな事を事を考えていたら


「何悩んでいるのよ。未来の作ったお菓子は美味しいんだから、自信持って大丈夫!」


渚は私の背中をバシッと叩く。


「美味しい」と言って貰えるのは嬉しいけど……

作る作らないとかじゃなく。

こういうのは気持ちが大事なんだろうけど。

やっぱり永井先生にも手作りをあげた方がいいのかな?