理科準備室の甘い秘め事

「いいんじゃない?あっ、そうだ!チョコを渡す時に“好き”って言っちゃいなよ!!」


渚は楽しそうに言う。


「えぇぇっ!!」


渚には、“一緒にいれるだけでいい”と言っている。

“溢れ出しそうな気持ちを必死に押さえている”っていう事は言っていない。

というか、言えない。

だって、相手は先生。

私は生徒。

立場を考えなきゃいけない。


渚は親友。

だから、渚には私の気持ちを聞いてもらいたい、っていう気持ちもある。

だけど、渚に……

誰かにこの気持ちを話したら、気持ちを押さえられなくなりそうだった。

だから、言えない。