理科準備室の甘い秘め事

「迷惑じゃないよ」


永井先生は優しくそう言う。

その声に、私はパッと顔を上げる。

すると、永井先生は、いつもの優しい笑顔で私を見ていた。


そして、


「じゃぁ、これからも待ってる。……って、お前、何で泣きそうな顔してんだよ」


永井先生は立ち上がり私の側まで来て、ぎゅっと抱きしめる。


えっ!?

私、何されているの?


私の頭は、今の状況についていけない。


「……せ…んせ?」


かろうじて出た言葉に


「あぁ、わりぃ。……俺、何してるんだろうな」


永井先生は抱きしめる腕の力を緩め、私の頭にポンッと軽く触れ、自分の机へ行く。

私からは先生の表情はわからないけど、先生の後ろ姿は、何だか照れているような感じだった。


「じゃぁ、次は冬休み明けだな」


永井先生は振り向き、何事も無かったかのように言う。


「はい、よろしくお願いします」


そう言い、私は理科準備室から出る。