『…………え?』




父はあまりにもビックリして、持っていた受話器を落とした。





俺の子がもう1人…








『……どうしたら……』



慌てて落とした受話器を持ち直し、耳にあてる。






『……その子は俺が育てる。だから…』


『待って!!私が育てるわ!!』


『ダメだ!!その子に紗那と同じ思いをさせる気なのか!?紗那はどんな思いでおまえをずっと待っていたか、知らないだろ!?』




一度、子育てから逃げたした本当の母は電話越しに少し黙りこんでしまったが、何か決心をしたのか、張った声で受話器にぶつけた。








『……わかった。今度こそは、立派に育ててみせる!!』


『…おっおいっ……』




そのまま本当の母は電話を切ってしまった。







それから、何度も2人目の子供の話で口論になったが、最終的には、本当の母が育てることになった。