生きる意味もない―――――
極寒の夜、暗い海の中へ足を進めていた。
もう、先生がいないと…
「おいっ!なにしてんだよ!?」
誰かが叫ぶ声が聞こえる…
振り向くと、同じ年頃の少年が、砂浜から私にライトを照らしていた。
先生だったらよかったのに…
私はまた海の果てを向き、1歩1歩進み始めた。
ジャバッ、バシャッ、ジャバッ――
「なにしてんだよ!?死にてえのか!?」
気づいたらあの少年に動きを封じられていた。
なんで…私を止めたの…
氷つくような海から引きずり出された。
死にたくても、死ねなかった…
少年が着ていたジャンパーをかけながら言った。
「何があったか知らねぇけど、簡単に命なげるようなことはすんなよな。」
あんたなんかに、私の気持ちなんてわかるわけ―――――
「俺も今、大切な人なくして死にてえ気分だけど、その人はそんなこと望んじゃいねぇ。幸せになれって言ってっから俺は生きなきゃいけねぇんだ。」
少年はつらいことがあっても、
前を向いて歩いていた。
私は――――――
