何時だろ…
そろそろ帰らないと、また怒られちゃう…
あれから私は、まだ海にいた。
冬の夜はやっぱり寒い。
手のひらに息を吹きかけると、その息は白くなった。
………寒いし、帰ろ。
そう思って立ち上がろうとした。
―――――ドサッ
え――――?
立ち上がろうとしたはずなのに、座ってる…
何回も繰り返すが足に全く力が入らない。
私は、優心がいないと、立ち上がることさえ、出来なくなるのか……
頬になにか温かいものが流れてきた。
涙……
今日でどれだけの涙を流しただろう。
流しても流しても、枯れることはなかったんだね…
そう感じ再び泣こうとしていた。
『もう、俺を思い出して泣いたりすんなよな!』
……あ、そう言われたんだっけ。
この運命を選んだのは自分自身。
選んだ私が受け入れないでどうするんだ。
優心のことは忘れなくてもいい。
ただ…
前に、進まなきゃ。
