先輩と私と彼と。



『お前、瀬川先輩のこと好きなの?』


急に目に飛び込んできたのは、そんな文字の列。


……え。

えええ!?


まさかそんな。

あの口が軽そうな桐原に。

バレた……?




まあ確かに、教室であれだけ騒げばバレてしまっても不思議じゃない。


……でも、それにしたって……。

びっくりの一言に尽きる。

それ以外の言葉は思いつかない。






『好きではないよ。まあ、憧れの存在みたいな感じかな』

とりあえず、送信。


……我ながら厳しい言い訳だとは思うけど、これ以上の言い訳は思いつかない。


仲が良い女子以外には知られたくないからしょうがない、よね。






すぐに返信がきた。

『そうか。なら良かった』


……良かった?


良かったってどういうこと?

瀬川先輩を好きになったらダメ、ということ?

それはつまり。瀬川先輩には誰か相手がいるっていうことなのかな……。


そうと決まったわけでもないのに、私の思考はどんどん悪い方へと向かう。


彼女がいるとか?

校内にいるなら私も知ってるはずだし、いるなら校外だろうな。

もし彼女がいないにしても、好きな人くらいいておかしくない。


うーん……

とりあえず桐原に聞いてみることにする。