ガリッ―…
「!…っつ―…」
「ふっ―…」
(ぃっつぅ―…
こいつ容赦なしに噛みやがった…)
神前の口に滑り込ませた俺の舌は思いっきり噛まれて血が出ている。
「ハァッ…
―…水無月…せんせ…
どーして…」
まだ涙こそ流れていないが、今にも泣きそうな顔で俺を見据える神前。
(これは…
言い訳できねぇかも…)
「あー…神前…
俺―…」
「気持ちもないのに…」
「えっ…?」
「気持ちも、ないのに…こんな事…しないで、ください…無駄に…
期待、させないで…」
神前は服の袖で目元を押さえながら切れ切れの言葉で俺に伝えようとしている…
(あれ…今のって…)
俺は神前の頭に手をおきながらゆっくりと口を開いた。

