「みなズきせンせー!」
「徠名<ライナ>ちゃん?!
また病室から抜け出してきたのかい??…そんな事してたら治るものも治らないよ?」
五歳の女の子が廊下を走って俺の元へ来た。
この子は生まれつき心臓が弱く、たまに発作をおこすらしい。
「だって!だって!
おえかきあきちゃったんだもん!」
「ふぅ…それでもダメ。
先生も一緒に戻ってあげるから行こう?」
「わかった…」
徠名ちゃんは俺の左手の人差し指をキュッと握った。
(まだ…こんなに小さいのに…)
「せんせぇ。」
「うん?何?
徠名ちゃん。」
「徠名ね、おっきくなったらせんせーとけっこんする!」
「!…ふふっ。
そっか、ありがとう。
じゃあちゃんと病気治さないとね?」
俺は徠名ちゃんの頭を撫でた。
「先生と結婚してくれるんでしょ?」
「うン!」
徠名ちゃんは手を振りながら自分のベットに戻っていった。

