「…水無月先生がカムイさん殴るんじゃないかって冷や冷やしました。」
「女なんか殴るわけないだろ。」
俺は神前の頭を軽くこずいた。
「優しいですね。先生」
「一応血ぃ分けたこの世にたった1人の姉弟だからな。
大事に思ってるよ…あいつのことは。」
そして少しの沈黙が流れた。
「カムイが捨てられないことを祈るよ。
…何故ならカムイを捨てるようなクズはボッコボコにしてしまいそうだからな。」
「サラッと怖いこと言わないでください。
…って言うか先生って意外にシスコン…」
「あ゛?」
俺は上から神前を睨みつけた。
「すいませっ…」
「…まぁ、そうなのかもな。」
「えっ…?」
「でも本人には
言わねーよ。調子にのるからな…」
俺は神前の頭をポンポンと撫でると旧病棟を後にした。

