「ほら、乗れ。」
「はい…」
俺は駐車場にある自分の車に乗り込んだ。
神前も少し躊躇しながら助手席に乗り込んだ。
「何戸惑ってるんだよ」
俺は車を走らせながら
神前に話しかけた。
「馴れないんですよ…
この車…高そうだし…」
「たかがBMWだろうがよ。」
「たっ―…たかが…」
神前は拗ねたように窓の外に視線をずらした。
「…餓鬼っぽいな。」
「なっ…////どうせまだ学生ですよ…////」
「そうじゃなくて、
憎めないって事だよ。」
「…それって褒め言葉ですか?」
「の、つもりだけどな。俺は。」
俺は神前の頭をくしゃりと撫でた。
「――…笑顔がいいです先生は。」
「はっ…?」

