「僕…昔あの旧病棟に入院してたことがあったんです…」


「へぇ。初耳だ。」


「それでその…
ドアが開いてて…

今はどうなってるのかなぁ、って…思って…」


「ふぅん。」




神前は顔をバッとあげて俺の顔を見た。




「…何。」


「いっ、いや…あの部屋僕が入院してた部屋の真下なんです…」


「で?」


「あのっ―…

…やっぱり、いい、
です…」



神前はまたうつむいてしまった。
不思議に思うし、途中で話を止められるのはスッキリしない。



そう思い、神前の両頬を両手で覆い無理やり顔を上に向けた。





「へっ!?何ですか!?」


「スッキリしない。
続きをどうぞ?」



俺は顔をもったまま動けないようにした。




「や、やめっっ―…
離して下さいよ!!」


「じゃ、さっきの続き話せよ。」


「話します!話しますから離して下さい!////」


「…ダジャレか?」




俺は神前から手を離した