「何でわかるんだよ?
エスパーか?それともあてずっぽうか?」


「えっ―…
水無月先生―…!?」



水無月先生は急に口調と目つきが変わり、僕を静かに見つめた。

(…あの時の先生の雰囲気だ―…)


先生が変わったのは表面的なものだったのだと分かると何故か妙な安心感が芽生えた。




「そういう―…方だったんですね…」


僕がたずねると水無月先生は―…




「驚かないのか?」

意外そうな顔をして首をひねった。



「いえ、驚きましたよ。
でも何故か分かっていたというか…
なんというか…」



僕はなんだか嬉しくなって少し笑いながら先生に答えた。

すると




「神前、お前嘘つけないタイプだろ。ババ抜きとかするといつも負けるだろ。」


!!!!!!!

(ず、図星…!!)


「な、何で分かるんですか!?
エスパーですか!?」


「お前の表情には嘘が見えないから…」




僕は目を見開いた。


先生が笑っている。

別に満面の笑みじゃない少し笑っているだけ。


でも、正真正銘。


僕に向けた【二度め】の本物の笑顔だった。