視界が真っ暗になった。

(僕どこに隠されたんだよぉ~…)



僕は手を後ろの壁についた。

(う、埃っぽい…
ん…これホウキか!?)



ひとりでイロイロ頭の中を整理していると声が聞こえてきた。



「先生どうしたの…?」

「あ、何でもないよ。
それより燵矢くん…ひとりで帰れるかい…?
送っていこうか…?」


水無月先生の優しそうな声が聞こえた。


(本心じゃ―…ないんだろうなぁ―…)


僕がそんな事を思っていると…




「んーん…いい。大丈夫だから。」


―…!


(…寂しそうな声―…)



「じゃ―…俺こっちから帰るね。見つかったら駄目だから。」



ガチャン―…


ドアの閉まる音がした。燵矢くんが帰ったのだろう。


「っっ―…はぁ。」


カチャ―…


「何、するんですか水無月先生…」



僕は少しジロリと水無月先生を見た。




「すいませんね、
神前くん…燵矢くんは思いつめる癖がありましてね。」


にこっ。


ビクッ―…!


そこにはあの暗い瞳があった。