春。
もう桜が咲いていた。
満開だ。
そんな今日、この桜山第一中学校の入学式が始まる。
上級生は、席に座っていた。
腰が痛い、もう疲れるなど、入学式はつまらないものとみなしていた。
なんとも冷たい上級生だ。
新入生は、緊張して、入場した。
上級生は、いやいや拍手をしている。
二年生は、初めての後輩をじろじろみている。
三年生は相変わらずのやる気のなさだ。
もう3回も入学式を経験している。
この大変さはつらい。
とくに、新入生挨拶は毎年同じものだった。
それが一番つまらない。
そして生徒会長の言葉、学年一番のまじめちゃんがやっているのでいじりがいもない。
だから聞かない
と言ったところだ。
荒れてもいないし、まじめでもない。
ただただ単純なのが今年の三年生の特徴である。
そう、かなりの単純。
ガキなんだ。
入学式がおわると、腰をたたく生徒が多かった。
先生たちは
「中学生ってこんなに体力ないのか・・・。」
と落ち込んでいた。
「あの三年生も受験だな・・・。」
学年主任の野崎先生は笑った。
「みんな第一志望に合格できるといいですね。」
と3-B担任の松本先生が言った。
そう、彼松本のクラスがこの物語の主となる。