「お~い。石川!!」
次の日の朝、私の名前を呼ぶのは昨日かってに帰ってしまった薄情ものの、
「斎藤くん!」
「おう。はよ、石川」
と斎藤くんは腕を上げて私にあいさつをしてきた。
しかも、にこやかな笑顔をみせて。
「昨日は、ありがとな」
「ちょっと斎藤くん!昨日私....」
「それでさぁ石川、ちょっと助けて」
「........は?」
目の前にいる爽やか少年にイラッときたから、昨日の文句でもいってやろうかと思ったのに!?
「頼む!頼むよぉ!!石川ぁ」
気がつくと私の脚にしがみついていた斎藤くん。
これって、軽く犯罪?
こんな姿、彼女が見たらどうすんの?