気になる感情を抑えて、安全に家へと帰ってきた。
「ただいまー」
ガラッと玄関を開けて靴を脱ぐと、
....ドタドタドタっ
「ねぇちゃんお帰りー!」
「ゴフっ....!」
後ろから飛び付かれた。
小6にもなっていい加減にしなさいよ....
「コラ、瞬(シュン)!どきなさーい」
ねぇちゃん今日は疲れきってるの....
「トウっ!」とちょっと勇者っぽく飛び降りたのは、
「どう?かっこ良かった?」
私の弟。....だと思う。
姉弟なのに、こうも性格が違う。
年頃なのか、女の子にモテることしか考えてない弟。
瞬はお調子者でみんなの注目を浴びるのが好きらしい。
「瞬にぃ。かけ算のひっさん教えてくれるんじゃなかったの?」
「皐月(サツキ)やっぱムリ!かなこちゃんと遊ぶ約束してるから!じゃーな」
そう言い残し、足早に瞬は出ていった。
さすが瞬。今日も自分を中心に世界は廻っているらしい....
「もうっ!」
私の隣でほっぺたを膨らませているのは、妹の皐月だった。

