天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅤ(劣化版)

そうこうしているうちに時間がやって来た。

冷たい風が吹き始めた、夕暮れの天神学園グラウンド。

そこに佇む道着姿の小夜。

それを見守るように集まった、多くの生徒達。

そんなギャラリーの注目の中。

「お!」

「来たぞ!」

野次馬達が口々に言う。

張り詰めた全身の筋肉を、真新しい白い空手着に包み、黒帯を固く締めて。

裸足の龍太郎が、グラウンドに姿を現した。