天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅤ(劣化版)

「待たせたか?」

ジリ、と龍太郎の片足がにじるように動く。

警戒したように眉を顰める小夜。

「じゃ…やるか」

龍太郎の腰が低く落ちる。

蹴り技を想定した重心の低い構え。

周囲で見ていたアリスカ、雛菊をはじめとするギャラリーが息を呑み、水を打ったように静まり返る中。

「せいっ!」

龍太郎の中段回し蹴りから決闘は始まった!

素人には、女子に放つにはあまりにも強烈過ぎるように見える龍太郎の蹴り。

しかし小夜は。

「!」

両手をつき、その蹴り足の上で宙返りして見せた!