(リグレイ視点)


 五年ぶりに再会した女は昔の面影こそあれ、いい女になっていることに変わりはなかった。

 ただ、ガキを二人連れてまわっていたってのは意外も意外。

 テメェより少なくとも十は年下のガキ共の境遇を聞けば自分の過去なんざ、お気楽なものにさえ思えた。

 年端もいかねぇうちに親の仇を斬ったらしいハタチそこそこのガキと、唯一の肉親を失ったばかりの十代半ばのガキ。

 驚いたのは、あのワクスじぃさんに孫がいたってことだ。両陛下、キティの両親がガキの頃から長らく城の使用人として仕えていたらしいと聞いてはいたが、その孫がまさが白゙だったとは。

 キティに助けられて地下牢から逃げだしてから、イエローに住まいを用意してくれたのはワクスじぃさんだった。穏やかな表情に隠れている厳格さは年寄りの手本であるようにも思えた。

 まあ、なんにせよ、だ。

 俺としちゃあ、キティさえ自由になるなら、なんだっていい。

 あの変態野郎から、あの子が解放されるなら。