オッサンはオレの答えに盛大に笑うと頭を撫で回すだけでは飽きたらず、イッシュまで巻き込んで肩を組んだ。

「こりゃあいい、安心した!お前らとは上手くやってけそうだな!!」

「……どうだかな」

「…ホント、どうだかな」

 無理やり引き寄せられてガタガタと椅子の足と自分の足をもつれさせかけていたイッシュは遠い目をしていた。オレもつられて明後日の方向を見ながら同意する。

 いくらなんでも馴れ馴れしすぎる、このオッサン。しかも空気読めてない。重たーい話したあとだってのに。

「だぁーっ!もう!!いい加減、離せよオッサン!」

「ちょっと待った!そのオッサンっての、やめねぇか?ボウズ」

「そっちこそボウズ呼ばわりすんな!あのキティでさえボウヤ呼びやめる、って言ってたの聞いてただろ!?オッサンもボウズ呼びやめろよな!」

「あーあー、わかったわかった。そう吠えるなよ、小型犬」

「誰が小型犬だよ!!」

「ルーイ、落ち着け」

 オレはイッシュの制止を振り切ってオッサンに食ってかかったが結局お互いのことは名前で呼び合おう、ということで話はまとまった。

 絶対リグレイなんて呼んでやんねー、なんて悪態をつきながらもオレはスプーンを手に取った。テーブルの奥へと押しやられていたイッシュの食べかけオムライスの皿を自分の目の前まで引き寄せる。

 腹が減ったんだよ、だってなんか急に気ぃ抜けたんだもん。