あれからどれくらい時間が経っただろうか。 仄暗かった森が、今では深い闇に覆われようとしている。 そっと上を見上げれば、木々の隙間からほんの微かに射し込んでいた太陽の光が、静かに消えて行くのが分かった。 ……日が暮れる。 そんな事を考えながら立ち止まると、腕に嵌めている【マーク】で時刻を確認した。 【マーク】の液晶には、《6月25日 18:24》と文字が浮かんでいるのが見える。