「……なぁ、千尋ちゃんって……何かやってたの?」 「何でそんな事を聞く」 藤谷の質問に視線も合わせないまま小さく呟いて返す。 「いや、さっきこの子に襲われた時の動き、普通だったらなかなか出来なさそうだったから」 その藤谷の言葉と共に、ポンポンと掛けていた雪を固めると、そのまま手についた雪を払いながら立ち上がる。 「子供の頃から空手と柔道は習っていた」 「うわ、何その主人公補正みたいなヤツ」 俺の答えに藤谷は怪訝そうに眉を顰めて見せ、それから困った様に笑った。