「……グッ!」 投げ飛ばされ地面に叩きつけられた女は小さく呻くと、手にしたままの《包丁》をギュッと握り、フラフラと立ち上がった。 「ちょ!?急に何なの!?」 「知らん。その女が急に切り掛かって来た」 困惑する藤谷に簡潔に説明を終えると、そのまま女の元へと向かって走る。 走り寄る俺に女は包丁を構えるが、それを無視してその手に蹴りを入れた。 すると包丁が綺麗に宙を舞い、ドサッと遥か彼方の雪へと突き刺さる。