あれから所々に生えている木に身を隠す様に進みながら、どうやらエリアの端まで辿り着いたらしい。

「ココ、ココ!!ほら、見てよ千尋(ちひろ)ちゃん!!」

そう言って藤谷は早くしろとばかりに俺を手招く。

「《ちゃん》はやめろと言っただろ」

その俺の冷たい視線と共に投げ掛けられた言葉に、藤谷は完全無視を決め込み、地面を指差して見せた。

チッと小さく舌打ちをしながら藤谷の示す地面を見ると、そこには赤い線が真横に向かって続いているのが見えた。