『おめでとうございます。【ロイヤルストレートフラッシュ】が完成しました。よって報酬が与えられます』

その無機質な音声が聞こえたと同時に、霧島さんの身体が淡い光に包まれる。

淡い光は彼女の身体を覆う様に広がり、そして彼女の姿が静かに消えて行く。

「……佐伯君」

そう小さく彼女は俺を呼び手を伸ばすが、その手が俺に触れる事は無かった。

伸ばされたその手は俺の身体をすり抜け、まるでホログラムの様に触れる事は叶わない。

しかし差し伸べられたその手に触れる様にそっと手を重ねると、彼女はそれを見て眩しい笑みを浮かべて見せる。

「約束……忘れないで」

「……うん」

切ない彼女の言葉に短く答えたその瞬間、彼女の身体が一際眩く光り……そして何も見えなくなった。