「誰かの為に生きたいだなんて……貴女はとても幸せな人。皆に愛されて、大切にされて生きている。羨ましいくらいに」

その黒咲さんの呟きには、蔑みも憐れみも、含まれてはいなかった。

ただ純粋に彼女を羨む様に耳に響き、それから黒咲さんはそっと目を伏せる。

《殺したいプレイヤーを一人、選んで下さい》

そんな残酷な問いがテーブルに映り、それを見て霧島さんは小さく息を吸う。

「……クラブの2を」

霧島さんの声がその対象を告げ、それと共に静かに目を閉じる。

……これで……終わる。

一体どんな残酷な光景が広がるのかと怯えたまま、そっと目を開く。

しかしそこにはさっきと変わらないまま、銃を構えた黒咲さんの姿が見えた。

そしてテーブルに浮かんでいるその《文字》に、大きく目を見開いた。