「……一体、どうなって」

何度目かも忘れたその問いが口から洩れ、ゴクリと喉を鳴らして空気を呑み込むと、ゆっくりと地面に膝をつく。

それから地面に生えている花にそっと触れると、それはまるで本物の花の様に瑞々しく感じた。

……現実。

その単語が、俺の頭に漠然と浮かび上がる。

さっきまで俺はあの白い空間に居た。

しかしその場から一歩も動いていない筈なのに、俺は今、ワケの分からない森の中に立っている。

「本当なのか……アイツが言っていた事は」

そう震える声で小さく呟いた時だった。