「佐伯君、これからどうするの?」

手を繋いだままの霧島さんは、そう言って窺う様に俺を見つめた。

不安そうな彼女の瞳に、湧き上がっていた苛立ちと焦りを何とか堪え、小さく頷いて見せる。

「これから街エリアを目指そう。そこで待つって須藤さんが言ってた。48時間以内に、街エリアのあのビルに行こう」

その俺の提案に霧島さんは納得した様に頷いて答え、そのままマークを頼りに、エリアの端へと向かって歩き出した。

しかし今までのエリアと違い、アリの巣の様に入り組んだ洞窟内では、真っ直ぐに進む事が出来ない。

行きたい方向に道が無く、何度も右折、左折を繰り返し、何とか目的の方向へと進んで行った。

それから必死に歩き続け、あと少しでエリアの端に到達出来る辺りまで来たその時だった。