「スペードのA」

「……え?」

俺の溜息交じりの呟きに、男は小さく声を漏らし首を傾げる。

「俺のカードは……スペードのAだよ」

そう言ってシャツをはだけ右肩に刻まれたマークを見せると、男は驚いた様に目を丸くし、でもその次の瞬間にはキラキラと瞳を輝かせ……《かっけェぇえ!!》と子供の様な声を上げた。