「今日はここで休まない?私、全然寝てなくて疲れちゃった。一応こんな時間だし……ダメ?」

その彼女の言葉と共に【マーク】を見れば、時刻は《6月26日 20:24》を示している。

「……そうだな。そうするか」

このままウロウロしてまた余計な事件に巻き込まれないとも限らない。

……休めるうちに休むのが得策だと思った。

「了解」

藤谷は短く答えそれから辺りを見回すと、三人でなら丁度身を隠せそうな小さな窪みを指差す。

それに雪村と俺が頷き、そのまま三人でその窪みへと腰を下ろした。

背負っていたリュックを下ろし一息吐けば、それと同時にあの《悪魔》の告げた最悪の《真実》を思い出す。

しかしそれ以上その事は考えないまま、力無く洞窟のゴツゴツした岩に背を付ける。