……年は……三十代……いや、四十代か……よく分からない。 何故なら男の髪はぼさぼさで、その髪に隠れてよく顔が見えない。 しかしその髪の隙間から覗く顔には切り裂かれた様な深い傷があり、その下の鋭い目が、真っ直ぐに俺を見つめている。 それだけで……分かった。 コイツはもう《人間》ではない……《何か》だと。 まるで野生の獣の様な、少なくとも正常な《人間》の思考をしていない……歪んだ瞳。 その瞳に呑まれる様に、小さく息を呑んでその場に立ち尽くす。