「……須藤さん」 霧島さんのその言葉と共にそっと視線を向ければ、そこにはここを出る時と全く変わらない様子の、須藤さんの姿が見える。 「ただいま。少し遅くなっちゃってごめんね。結構時間掛かっちゃって」 そう言って須藤さんは困った様に笑って、それから俺の前まで歩いてきた。 「何か変わった事は無かった?」 その彼の問いに俺達の表情が一気に暗くなり、彼は不思議そうに首を傾げて見せる。 でもそれからクスリと妖しく笑うと、彼は自分のポケットから何かを取り出し、俺達に向かってヒラヒラと振った。