足を踏み入れたその部屋には、ポツンと灰色のデスクが置かれている。

壁に沿う様に付けられている何かのパイプに、割れている窓。

コンクリートの床には食べ散らかした様な缶詰や乾パンのゴミや、割れた窓ガラスの破片が散らばっている。

それから壁に付いた……赤い跡。

ペンキの様なそれを三人で茫然と見つめたまま、ゴクリと息を呑んだ。

俺達にはそれが……誰かの《血》であると、すぐに理解出来たから。